花粉症の漢方治療
漢方で言う脾臓(現代医学の胃腸に相当)が冷えて弱るとアレルギー症状が出やすくなります。さらに、水の流れが悪くなり滞ります。
花粉症やアレルギー性鼻炎は、漢方的なイメージとしては胃にいらない水がチャポチャポと貯まってそれが鼻から流れ出ている状態です。したがって、基本的には胃腸を暖めて強くすれば水の流れがよくなって胃に貯まって水も消失し、鼻からも水が出なくなります。
ただし、花粉症の場合、体の中の原因だけでなく、大量に飛散している花粉という外因も影響しますので、もう少し複雑な状態になります。
元々アレルギー体質では、体の下が冷え、上は熱を持っている状態ですが、花粉が目や鼻の粘膜に付着してアレルギー反応を起こす為、体の熱が一層ひどくなります。さらに、春の気が重なって熱と風が体の上に昇る為からだの上部では熱と乾燥がひどくなってきます。したがって花粉症は体の下を暖める一方で、体の上は冷やし潤わさなければなりません。
暖める漢方と冷やしたり潤わしたりすり漢方をどういう比率にするかは患者さんの体質によって異なりますので、しっかりした見立てが必要です。
実際にアレルギー反応が始まっているときは現代医学の抗アレルギー薬を併用する方がよいのですが、ステロイドではないため急に止めても心配要りません。