☆三宅漢方医院のボランティア活動~ミャンマーSEED~吸い玉療法トレーニング

針治療がツボを刺して刺激するのに対し、吸い玉療法はツボを吸って刺激する治療法です。
ビンや缶に火を入れて内部の空気を燃やして陰圧にした直後、すばやく皮膚に置くと、
外部との圧力差でツボを吸引します。
丸い形のビンが最適ですが、普通のビンや缶、湯飲みでも使えます。元々は民間療法
だったものの効果が良いため、中国では鍼灸治療医院で針と一緒によく使われています。
 
竹の吸い玉                                                           ガラスの吸い玉
         
       南京市中医院にて陸瑾医師の治療
肩こりや腰痛、風邪の初期など、瀉法としての治療に優れますが、
小さな力で吸えば補法としても使えます。
道具が安価で、一般の人でも安全に行えるのが利点です。
        
メッティーラのナガヨンパゴダ                     境内に残る旧日本軍の軽装甲車の残骸
鍼灸を一般の人に教えるのは危険ですが、吸い玉治療なら安全なため、
2003年12月にアムダの活動として、メッティーラのナガヨンパゴダで
僧侶と農民を対象に、吸い玉トレーニングを開始しました。
安価で安全で治療効果の高い吸い玉治療は
現金収入の少ない農村で役に立つと考えたからです。

理論を講義しているところです。

棒に巻いた布にアルコールを付けて点火し、ビンに入れて空気を燃やします。

瘀血のある血管を瀉血し、吸い玉」を置くと、更に効果が高まります。
                
冷えがある人はお灸を併用します。       パコックのスージーパン僧院にて
 
         瀉血と吸い玉

膝に吸い玉。陥谷に隔物灸。

YMCAの要請によりピンマナにあるカレン族の村でトレーニング

ミャンマーの農村 メッティーラから車で2時間半のアレイワ村

ミャンマーでは農村に行く許可はなかなか取れないのですが、2004年6月
初めて農村でのトレーニングが実現しました。
一番熱心に学んでいたのは農村在住の民間治療師たちでした。
学んだ治療技術は早速その日から治療に使えるからです。
農民にとっても民間治療師の料金は町の病院に比べてはるかに安いので
大きなメリットがあります。

メッティーラの受講生たち

パコックの受講生たち
吸い玉療法トレーニングは半年間に9回行い、約400人が受講しました。
現在政治的な緊張のためトレーニングの許可を取るのが難しい状況ですが、
近い将来トレーニングを再開し、農村での廉価医療普及を更に進めるつもりで
います。