謹賀新年 戌年特集

inu_1[1] 2018年
平成30年

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

今年は戌年。
ワンだふるな年になりますように!

犬は古くから人間の忠実な家畜として知られていますが、最近の研究では
1万5千年以上前にオオカミから分化したと推定されているそうです。
人間の残飯を漁るオオカミのうち、デンプンを消化できる形質を持つものが
人間と暮らすのに有利となり、次第に犬としての分化が進んだのだとか・・・。
イヌの野生原種はタイリクオオカミ(Canis lupus) の亜種のいずれかと
考えられていて、DNA組成は、オオカミとほとんど変わらないそうで、
交雑して仔を作れます。

gula1[1] 古代メソポタミアでは、神々の横に
神を象徴する侍獣が置かれましたが、
治癒神グラの象徴が犬。
写真はウルクの大鉢の一部なのですが、
グラ神かどうか怪しいそうです。
anubis1[1] 古代エジプトのアヌビス神はヤマイヌの姿。
ミイラを作り、ラーの天秤を用いて死者の
罪の重さを量ると言われています。
yotueinu1[1] ゾロアスター教では、犬は人間の次に位が高い
生き物です。
特に霊力が強いとされる両目の上に斑点のある
四つ目の犬に死体を見させ、死魔を退散させますが、
この辺は諸星大二郎「西遊妖猿伝」西域篇2巻に
出てきます。さすが諸星大二郎!!

日本書紀では、昔、丹波の桑田村に
「甕襲(みかそ)」という名の人物がおり、
その家には「足往(あゆき)」という名の犬が
いて、この犬が牟士那(むじな)という名の
山獣を食い殺したところ、その腹から八尺瓊の
勾玉が出てきたので、これを朝廷に献上したと
あります。

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岡山県総社市の吉備津神社
昔話では、桃太郎に出てくる犬でしょう。
この話は各地にありますが、その一つが
岡山の吉備津神社に伝わるもの。

百済から来た温羅(うら)という鬼を退治する為
吉備津彦命(きびつひこのみこと)が朝廷より
派遣され、そのお供が、犬飼部の犬飼健命
(いぬかいたけるのみこと)、猿飼部の楽々森彦命
(ささもりひこのみこと)、鳥飼部の留玉臣命
(とめたまおみのみこと)の犬猿雉子トリオです。
退治された温羅(うら)の首はここに祀られ、
以後は釜を鳴らして国家の吉兆を占う
護国の鬼と化します。
 

江戸時代にベストセラーになったのが、滝沢馬琴の
南総里見八犬伝!
全98巻、106冊の大作で、敵将の首を獲った神犬・八房の
嫁となった伏姫の身体から、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の
八つの玉が飛び出し、それを宿した八犬士が里見家を
守って戦うというもの。
話も面白いのですが、それを書いた滝沢馬琴が、失明しても
息子の嫁に口述筆記させて完成に漕ぎ着けたその執念が
また感動的です!!

 

iSGDaKZ9ZlzIVhs_bm3ab_37[1] 1913年に最初に映画化され
以後も数作作られています。
学生時代に角川映画で
薬師丸ひろ子が主演していて
ポスターが綺麗で印象的でした。
本編はまだ観ていませんが・・・。
038-2013-02-17[1] imagesCNY6LM35[1]

辻村ジュサブローの人形と、坂本九の歌・ナレーションで放送されたNHKの人形劇
新八犬伝は名作でしたねー!
♪いざとなったら玉を出せっ!力~が溢れる~不思議な玉を~!♪
今でも時々思い出して口ずさんでしまいます。

 

八犬伝の原点は中国・ヤオ族の始祖伝説です。
竜犬が敵王の首を獲って、三番目の王女を娶り、盤護王に任ぜられ、
俗に狗王と呼ばれました。

その王女が産んだ十二人の子供が、ヤオ族各支族の祖となります。
それ故、ヤオ族は祖先を敬って犬の肉を食べないそうです。

102982[1]
日本の神社を守る狛犬。
このルーツもロマンです。
沖縄のシーサー
沖縄のシーサー。
獅子と犬の中間形。
FH030021[1]
ミャンマーの寺院の入口を守る獅子
少し犬っぽいかも・・・。
hittaito[1]
ヒッタイトの王宮の門の獅子像
hittaito2[1]
ヒッタイトの獅子像
babilonia[1]
バビロニアの獅子像
ishutal[1]
イシュタル又はイナンナ神の
足元にいる獅子

古代メソポタミヤでは、王宮や神殿の守り神として獅子像が置かれていました。
大きな口を開けて悪霊を一呑みにするとされ、これが東に伝わって中国初期王朝
殷の饕餮になったとも言われています。
ライオンが生息しないインド以東では次第に形が変化し、日本では狛犬となりました。

koukotu1[1] kinbun[1] syouten[1]
犬の甲骨文字
殷や周時代。
金文
殷や周時代。
大篆
秦時代

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