謹賀新年 巳年特集
蛇と言えば、再生と不死のシンボル。 |
縄文式土器の蛇文様
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インド神話では、巨大な蛇(あるいは竜王ヴァースキ)を亀の背中に置いたマンダラ山に巻き付けて、神々と阿修羅が互いにこれを引き合って大海を撹拌して、その海から太陽と月、その他諸々が出現し、最後に不死の飲料アムリタが出現して、それを神々が飲んで不死になったと |
インド文化の影響を受けたカンボジアでもこの神話の彫刻を見ることができます。
写真はアンコールワットと南大門です。
仏教では修行をする仏陀が雨に濡れないように、
大蛇(ナーガ)が傘を広げて仏陀を守るというデザインがあり、
ミャンマーではこれをナガヨンと言います。
写真はどちらもメッティーラのナガヨンパゴダのもの。
大蛇は1つ首のものが多いのですが、中には9つ首がある
ものもいます。
日本神話では、蛇が男になって女の下へ通ってくる話がいくつも見られます。 |
三輪山。山そのものが御神体で蛇を表す。 |
次に箸墓の伝説。日本書紀には |
他にも、夜ごと通って来る男の正体が知りたくて、帰る男の服に
針と糸を付け、朝になって跡を辿ると、男は実は蛇だったという話が
あり、この変形型は沖縄の島々にも残っているようです。
人間と蛇の恋で有名なのは白蛇伝。
「太平広記・白蛇記」(北宋)が白蛇伝の最初の物語だそうです。
アニメでは1958年に東映動画が初めての総天然色漫画映画として制作した「白蛇伝」があり、映画ではかつて李香蘭として一世を風靡した山口淑子主演の「白夫人の妖恋」があります。もちろん香港などではこりゃ何じゃ?と言いたくなるようなものまで含めて、様々な白蛇伝の映画がつくられています。
翻訳された小説もいくつかあるようですが、私は林房雄が書いた「白夫人の妖術」が大好きです。白夫人の妖術の場面が非常に艶やかで、それでいて品格高い文章で表現してあり、ここまで美しい文章で自由自在に書けたらと憧れてしまいます。残念ながら、今は発行されているものは無いようで、古書でしか入手できないようですが。