☆三宅漢方医院のボランティア活動~ミャンマーSEED~鍼灸教育

ミャンマーにはインド伝統医学を含め4つの異なる医学を併用する独自の伝統医学があります。この他に、華僑の中に鍼灸の技術が伝承され、アッサイと呼ばれ、一般にも利用されていたものの、医学校での教育には採用されていませんでした。
 
華僑の中医、翁邦超先生                      華僑の団体から出される中医の認定書
2002年9月、日本の援助でヤンゴンの郊外に建てられた
トレーニングセンターにてアムダの派遣として2週間の鍼灸教育を行いました。
研修を受けたのは臨床経験豊富なミャンマー伝統医学の医師たちです。

2003年7月から1年間ミャンマーに滞在し、鍼灸教育を行いました。
場所は主にアムダトレーニングセンターですが、
マンダレーの伝統医学病院やヤンゴン伝統医学病院でも行いました。
 
アムダトレーニングセンターにて

長期の停電で井戸水が汲めず、水洗トイレが使用不能に。
野外に簡易トイレを作って凌ぎました。
 
結局、水を買い、給水車で貯水タンクに補給するハメに。

伝統的なツボと大脳生理学を組み合わせた頭皮針。
体のツボだけを使う時と比べ麻痺の治療効果が格段に上がります。

     
麻痺の治療には井穴や十宣など   モグサの代用にミャンマー伝統医薬を
痛いツボを瀉血します。         使ってみました。                   
 
 
研修終了の後、師を拝むミャンマーの習慣           麻痺が改善した患者さんたちと
 マンダレーの伝統医学病院にて
2004年7月に帰国。アムダを退会し、独自にミャンマーSEEDを設立。
ミャンマーでの廉価医療普及を継続することにしました。
ミャンマーで鍼灸を教えている時に視察に来た政府関係者によって
鍼灸の効果が認められ、2005年から正式に第5の伝統医学として教育が始まりました。
教育を担うのは鍼灸トレーニングに参加した伝統医たちです。

2005年3月、マンダレーにて伝統医学大学の先生たちと。
向かって左端前列は南京中医薬大学から3ヶ月派遣された王玲玲教授。
この写真は教授の帰国後南京の医学雑誌に掲載され、
南京留学時代の友人医師がそれを見て連絡してきました。
世界は広いようで狭いものです。
  伝統医学大学
 
         2006年                                     2007年
  
2008年                                            2009年

 マンダレーの伝統医学大学で鍼灸の授業と実習が始まったものの、予算不足で
学生実習用の針は全く足りませんでした。
初めは私個人のお金で微々たる数の針を寄付していたのですが、やがて岡山にある
カクモト商会の角本純一社長の協力を得て鍼灸師の先生方から針をいただくように
なり、2008年からはセイリン株式会社から大量に針を寄付していただけるようになりました。
お陰様で学生実習に十分な針が確保でき、伝統医学大学の講師学生共に感謝しております。

  
病棟での学生実習。
院長と見に行くと早速捕まり、中医学での診断とツボの処方を説明しているところです。
  
伝統医学大学入口。                                           中庭
向こうにマンダレーヒルが見えます。           
 
伝統医学博物室                               医学生は青いロンジーを巻きます。

付属病院の鍼灸治療部門   鍼灸用の針は消毒して再使用可能です。


手作りの等身大の銅人


ヤンゴンの伝統医学病院でも治療用の針を寄贈しています。


独学で水針を会得したアウンミャットトゥン先生と討論中。